アジャイル開発のグローバルな現状と日本の位置および、楽天におけるアジャイル開発への挑戦

アジャイルの解説 平鍋健児(株式会社チェンジビジョン代表)


  • アジャイルでリスクを回避する
    1. マーケットリスク回避
    2. 技術リスク回避
  • アジャイルとは
    • 自分たちで、自分たちの問題を理解する
    • 自分たちの状況にあった解を、自分たちで作る
    • なので、アジャイルを入れることを目的にしてはいけない
    • 自分たちの問題=ビジネスの問題、現場の問題…
    • アジャイルはTool、そして、A fool with tool is still fool. ということ。
  • 例1:ミュージシャン向けのツールを作っている会社
    • ミュージシャンがProductOwner。ただしミュージシャンには発注とかわからないので、そこは独自に工夫
  • 例2:リクルート
    • 要求定義チームと実装チームがあって、1フェイズずれている
  • 文化の違い:そもそも日本人にアジャイルは向いているのか?
  • 参考:Culture Dimensions(ヘールト・オーフステッド)
  • 日本の特徴
    1. 不確実を避けたい(似た国:ロシア、フランス 逆の国:イギリス、北欧、インド、アメリカ)
    2. 長期的視点が好き(似た国:ブラジル、インド 逆の国:カナダ、アメリカ、イギリス)
    3. 個人より全体(似た国:ロシア、インド 逆の国:アメリカ、イギリス、オーストラリア)
    4. 権力主義・男らしさ重視の面もある
  • 以上から、日本、アジャイル向いていないかも?
  • アジャイルはみんなで考えるという面があるが、日本の場合強いリーダーが要る、その辺に日本型アジャイルの回答があるかも

楽天の事例 田澤久(楽天株式会社)

  • スライドが映らず口頭のみのトラブル
  • 現、楽天開発環境整備課
  • 品質保証、セキュリティなどのバックオフィス
  • ちなみに元職はNTT系
  • 導入前の不安と、導入結果
    1. やり方を変えてうまく行くか?
      • アジャイルを入れつつ、スケジュールは維持。ビジネス的にアジャイルを入れるためだけの時間は取れない
      • それで負荷がかかりストレスが生まれてしまうかも?それが幸せ?
      • 結果、楽しくやれるし、充実して仕事ができるようになった
      • ただし、アジャイルを勉強している強いリーダーが必要で、その人には高い負荷がかかる
      • メンバーがアジャイルを勉強すると負荷は減るが、それまではかなりストレス
    2. ビジネスサイドから見た際の成果が上がるのか?
      • 開発現場は明るく元気に仕事できるようになりました、だけじゃ意味が無い
      • 結果、ウォーターフォールと違ってビジネス側からも進捗が目に見えるようになった
      • 楽天のレシピや結婚情報サービスは実際にアジャイルで開発した
  • その他
    • 開発環境整備課は、ルールを決めるのではなく、基準を決める
      • 僕らがいいものを作るから、使ってみれば?
      • 望まないルールを作らない
    • アジャイルの失敗事例
      • 社員少、パートナー多のプロジェクトで、「それは社員さんが決めてください」になった案件
    • アジャイルであること
      • イテレーションが回ること
      • 2週間に1回、水曜日にコードのフリーズがきて、金曜日にはリラックスして来週何する?的話ができること
    • 韓国某企業がスクラムマスターを雇っているらしい